建物が多い都市部では、火災による被害が広がることを防止するために、「防火地域」や「準防火地域」、「法22条地域」という制限を指定される地域があります。

「用途地域」や「建ぺい率」、「容積率」と同じように国の条例で決まっているものになりますので、建物の計画の段階で防火の制限を受けるかがわかってくると思います。

防火の地域に家を建てる場合、構造や材料の面で守らないといけないルールが出てくるので、建物多い地域で土地を探している方や家づくりを考えている方は事前に知っていれば、後から残念なケースになることも防げるかもしれません。

1.どんな建物が対象なのか

まずは、「防火地域」、「準防火地域」、「法22条地域」がどんな地域を対象にしているのか、どんな建物が対象になるのかです。

 

1.1 防火地域

「防火地域」は防火指定の中で一番厳しい地域になります。

駅周辺や繁華街、役所や銀行、商業地、幹線道路沿いなど、街の中心部が「防火地域」に指定されています。

防火地域内に建物を建てる場合は、延べ面積100㎡以下の小規模な建物を除いてすべて「耐火建築物」にしなければいけません。もし100㎡以下であっても3階以上の建物であれば、同様の制限を受けます。ここで言う耐火建築物とはRC(鉄筋コンクリート)造、耐火性の高い材料で覆われた鉄骨造の建物のことです。

その他にも建物によっては準耐火建築物でもいい場合もありますが、窓や玄関、換気扇といった開口部には防火設備が求められるので厳しい条件なのに変わりはありません。

このような街の中心部に、木造の住宅を見ることがほとんどないのは、そもそも土地の金額額が高いことと、建てても制限を受け、かつ金額が割高になるからです。

もし、特殊な条件で防火地域で家づくりを考えている場合は、まず建築の専門家に相談することをお勧めします。

 

1.2 準防火地域

「準防火地域」は防火地域の周辺の住宅地で広範囲に指定されていることが多いです。

準防火地域も防火地域と同じく火災の被害を抑えるために制限が設けられていますが、防火地域に比べて緩やかになっています。

木造2階建てまたは平屋建てであれば、延焼のおそれがある部分の外壁や軒裏、開口部を防火構造にする必要があります。

街の中心部から少し離れた利便性のいいエリアではよく該当しますので、施工実績や経験がある建築会社は多いので、安心していいと思います。

ただ、防火構造にするにも、全く規制を受けない地域に比べて、何割か割高になるのは覚悟が必要です。

 

1.3 法22条地域

法22条地域(区域)は防火地域、準防火地域に比べてさらに緩い制限です。

郊外のエリアで土地探しをしていると見かけることが多いです。

制限の内容は木造住宅の場合、「外壁・屋根を不燃材料にする」だけでいいので、ほとんどの場合は標準的な材料を使えば大丈夫なのでそれほど気を付ける必要はありません。

ただ、外壁を木にしたい場合は、不燃の認定があるものを使わなければいけないのでそれだけは注意です。

 

 

2.防火・準防火・法22条にかかる費用

実際にこれらの地域に家を建てることが決まった場合、お施主様が一番気になるところは、追加の費用がどれぐらいかかるかだと思います。

これは施工をする施工会社によって誤差があるので一概には言えませんが、おおよそどれぐらいかかるかの経験則でお話しします。

 

2.1 防火地域の費用

防火地域の場合、そもそも木造でできるのか、RC造・鉄骨造にするのかで大きく違ってきます。

もしRC造にしてかつ、窓などを全部防火構造のものを使った場合、普通の木造住宅に比べて倍の金額やそれ以上になることもあると思います。

これは計画のスタートで方向性を決める段階で考えていきたいところなので、まず初めに施工を考えている工務店や設計事務所などの専門家に相談をお勧めします。

 

2.2 準防火地域の費用

準防火地域の場合、一般的に一坪あたり100万円前後の仕様になる印象があります。

防火指定を受けない地域で建築する場合と比較すると、1.2倍~1.5倍ぐらいになることが多いです。

具体的に何に費用が掛かるかというと、

・屋根材

・外壁材

・窓サッシ

に性能が高いものを使わなければならなくなります。

特に窓サッシは、防火構造のものは高いですし、耐火の木サッシ、特注寸法の防火サッシは普通の窓サッシに比べて2倍にも3倍にもなることがあるので要注意です。

 

2.3 法22条地域の費用

法22条地域の場合は、多くの建築会社では法22条をクリアするグレードの仕様を採用しているので、余分に費用が掛かることがなかったり、掛かっても数十万なので、それほど気にする必要はないかもしれません。

これは、防火指定を受けない場所の家でも、建物として火災を防ぎたいことは一緒なので、最低限は防火の性能を持たせたい気持ちがあるからと、建材メーカー側の性能も少しづつ上がっていて、標準的な防火性能があるものなら安く作れるようになってきたからだと思います。

3. まとめ

 

いかがだったでしょうか。

防火、耐火、不燃など普段聞き慣れない言葉がたくさん出てきてこんがらがってないでしょうか。

実際にお家を建てる段階になったら、手続き関係、仕様の選択方法はプロと相談して進めていくので、家づくりを考え始めたばかりの方は、防火→すごく厳しい、準防火→厳しい、法22条→緩い、くらいを覚えておけばいいと思います。

防火の指定は法律や条例で決まった必ず守らないといけないものです。

ルールをしっかり守った上で、良いものをつくる。

弊社でも、法規をしっかり守った上でデザイン性の良いものを、という意識で日々建築の仕事に取り組んでいますので、もし現状の家づくりに不安や疑問点がありましたら、お気軽にお問合せ下さい。